自業自得

日常の雑事に追われて余裕がなくなると、不満ばかり、文句ばかりが頭の中に渦巻いてくる。

そんな時の私の顔はきっと地獄に住む鬼そのもの。支えられているということが見えなくなって、誰も助けてくれない、まるでみんな敵、私はひとりぼっち、そんな気がして仕方なくなる。

それが、何かのタイミングで、ふと、あぁまた1人で勝手に苦しんどったな、また迷惑かけたな、と、急に世界が明るくなる。その光をくださるのが阿弥陀さん。

だから、ありがたい、あぁなんまんだぶつ。


こんな話をご門徒にしていたら、ある日、「そこでありがたいまで辿りつかへんよ」と言われた。

その時やっと気がついた。人それぞれ感性は違う。お念仏のいただきも違う。
ということは、私の気持ちばかりを話すのは、ただの自己満で、ありがた迷惑な押し売りなのではないか。


そこで、色んな人に、お念仏のいただきをたずねてみた。色んなこたえがあった。聞いてよかった。

そのうちの1つに、
分からんでもいいから念仏しなさい。理屈じゃないところで育てられるものがある。
というこたえがあった。


そう、不可称不可思議不可説。
私の思いはからいが及ぶものではないんだと、なんども教えられてきた。しかし、どうしても、理屈で掴もうとしてしまう私がいる。

あぁ、これが私の業なんだ。
掴めないものを掴みたくて、掴んだつもりになるたびに迷子になる。いつもこの繰り返し。

自業自得。
使い方が合ってるかは分からないが(苦笑)、こうやって迷子になりながら育てられていく。

自分の業からは逃れられない。
良くも悪くもこれが私。この私だからいただけるお念仏がある。業のおかげのお念仏。

南無阿弥陀仏　南無阿弥陀仏